15 5月 09

○4月22日の当欄で書いたとおり、通関ベースでは赤字だった貿易収支は、最終的に黒字になりました。「経常黒字が半減」「貿易黒字は9割減」と聞くと、壮絶な感じを受けるかもしれませんが、そんなに大騒ぎするほどのことはないと思います。リーマンショック以降の需要の急減に加え、2008年度は原油価格が1バレル90.52ドル(前年比15%UP)、為替は1ドル100.64円(前年比12%の円高)だったのですから。正直、よくここまで頑張ったものだと思います。

○最近、「日本経済は外需に頼っていたからダメになった」みたいな意見をよく聞くので哀しくなります。外需で稼ぐというのは大変なことなんです。外国人に日本製品を買ってもらっているということですからね。そして少子高齢化により、内需がぐんぐん伸びるということが考えにくい状況下で、日本企業はちゃんと国際競争力のある商品を作ってきたわけですから。

○そして日本の貿易相手国は5割がアジアです。中国経済はそこそこ堅調、韓国と台湾はこの1-3月に底打ちした模様です。日本経済も、おそらくこの4-6月期はプラス成長となるでしょう。現在の不況から脱出するために、東アジア生産ネットワークの底力に期待したいと思います。

○そのほかの注目点として、所得収支は幾分減ってはいるものの、これは金利低下と円高による目減り分を考えれば妥当な水準でしょう。所得収支は、対外投資によってもたらされるリターンですから、ある日突然、消えてなくなるという性質のものではありません。「経常黒字がなくなる」などと慌てる必要はないでしょう。

○細かな点ですが、サービス収支の赤字が減っている点も評価したいところです。旅行および輸送の赤字幅が縮小し、特許料受け取りなどの「その他サービス」黒字幅が拡大しました。立派なものではありませんか。

かんべえの不規則発言