14 12月 09

宮内庁の羽毛田信吾長官が11日に行った説明要旨は以下の通り(日付は羽毛田長官による)。

 陛下の外国賓客との会見については、希望日が迫って願い出が来ると、陛下の日程調整に支障を来し、繁忙を極める両陛下に想定外のご負担をおかけするため、1か月以上前に外務省から願い出をいただくルールを設けてきた。特に平成16年(2004年)以降はその前年に前立腺がんの摘出手術があり、ご負担軽減、ご高齢ということも考え、厳格に守ってもらいたいと徹底をしてきた経緯がある。

 しかし、中国副主席との会見の申し出が1か月を切った段階(11月26日)で外務省から宮内庁に内々にあり、ルールに照らして(翌27日に)応じかねるとの回答をした。外務省も了承していたのだが、その後(12月7日に)官房長官から、ルールは理解するが日中関係の重要性にかんがみ、内閣としてぜひ会見をお願いするという話があった。私としては、1か月というのは事務的に作ったルールにすぎないとの考え方もあるが、陛下をお守りするため政府内で重視されてきたルールであり、国の大小や政治的に重要な国であるかどうかにかかわらず尊重してほしいと申し上げた。

 しかし再度、総理の指示ということで(12月10日に)話があり、大変、異例ではあるが、曲げて陛下に会見をお願いした。

 陛下の国際親善の活動は、政府の行う外交とは次元を異にしている。相手国の政治的重要性とか、国の大小とか、関係なく行われてきた。憲法下における天皇陛下の務めや役割という基本的なあり方にもかかわる。今回のことはルールの理念と整合性が取れないし、残念なことをせざるを得なくなった。陛下を政治懸案の打開役にとなったら、今の憲法下での陛下のなさりようと大きく狂うことになる。

 こうした懸念を伝えたが、聞き届けられなかったのは甚だ残念。もう二度とこういうことがあってほしくない。

 (「天皇の政治利用に当たる懸念があるということか」との記者の質問に)大きく言えばそういうことだ。政治利用といったことを超えたところで外国とおつきあいするのが陛下の国際親善のありようで、それを政治的に重要だとか政治的懸案があるからだとかということでしたら、天皇陛下の役割について非常に懸念する状況になるのではないか。

羽毛田宮内庁長官の説明要旨…「特例会見」 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)