26 7月 10

 。卓上の携帯電話が突然、着信音を発した。会場の空気が一転する。飛びつくように電話を取る冲方さん。取り巻いたカメラの放列が、一挙一動を逃すまいと追いかける。送話口を手で覆い、うなずく表情から、当落は読み取れない。さあ、どっち!?

  「10人で緊張していると暗くなるけど、100人で緊張したら祭りになる、と思いまして」。軽妙なあいさつで始まった待ち会は、冲方さんが制作に携わった アニメの紹介、バンド演奏などを織り交ぜてにぎやかに進行。とはいえ、時間の経過とともに、じわじわ緊張感は高まる。参加者から作家への質問コーナーのあ たりで「足が震えてきた。座らせてもらいます」。そして、待ちに待った主催者からの電話。結果はご承知の通り。冲方さんが叫ぶ。

 「だめでしたー。くやしー」

 あちこちから嘆声とため息。すかさずマイクを握った妻の藤野里砂(りさ)さんから「恒例の会合にしたいので、ノミネートされ続ける作家でいてください」と激励が飛び、夫は「きついこというなぁ…」。息のあった会話で和やかさを取り戻した。

「落選…主役は最後まで笑顔絶やさず 冲方丁さん 直木賞選考「待ち会」公開」:イザ!