— Jリーグの選手は過保護なのか?西村W杯審判員が伝えた意外な事実。(1/2) - Number Web : ナンバーJリーグの判定でよく問題視されるのは、フィジカルコンタクトがあったときに、ファウルを簡単に取りすぎるということだ。FWが背後からDFに体を寄せられて倒れると、すぐに「ピィッー」と笛を吹かれ、そのためDFは体を寄せる力をセーブしなければいけなく、球際での激しさが少ないリーグになっている。
ドイツ人のトーマス・クロート代理人は、「Jリーガーの一番の課題は、局面でのアグレッシブさだ」と指摘する。その問題の根っこにあるのは、日本人レフェリーのナイーブな笛――筆者はそう考えていた。
西村主審がW杯で高く評価されたのだとしたら、きっとJリーグとは違う基準で笛を吹いたに違いない。スペイン対オランダの決勝戦の前日、レフェリーのトレーニングが公開され、直接質問をぶつける機会を得た。
ところが、西村主審の返答は、予想とはまったく異なるものだった。
「W杯では、普段のJリーグとまったく同じ基準で笛を吹きました。W杯だからといって、フィジカルコンタクトに対して基準を甘くするということはなかったです」
では、なぜJリーグのときは、すぐに笛を吹くように見えるのだろう? 西村主審はその理由をこう語った。
「日本の選手たちは、フィジカルコンタクトがあるとすぐに倒れる。でも、接触があって倒れたら、ルール上、ファウルはファウルなので、レフェリーとしては笛を吹かなければいけないんですよ。それに対して、W杯では選手たちがぶつかられても、体が強いから踏ん張ることができる。だから笛を吹く必要はない。正直、そういう面では、W杯の方が判定するのが楽でした」
選手の体が強いか弱いか――。それが結果的に、W杯とJリーグで笛に違いがあるように見えることにつながった、ということだ。西村主審は日本人選手の体が強くなることを願いながらも、だからといって、そういう方向に導くように判定の基準を変えるつもりはないのである。
Jリーグのアグレッシブさを増すための即効薬を、審判に求めてはいけない。それが今回の取材でよくわかった。
29 7月 10