07 5月 11
加えて、何故、稼働停止の「命令」ではなく「要請」なのか。
本当に事態が切迫しているのであれば、中部電力に是非を委ねるような「要請」ではなく、総ての責任を背負って中部電力を従わせる「命令」という体裁を採
るのが筋であろう。こうした「命令」を出す法的根拠が怪しいのであれば、その根拠となるものをを明確に作らなければならない。中部電力が渋々、「要請」を
受け容れざるを得ない空気が生じることを当てにした対応ならば、それは、邪道の類である。
— 菅直人の「大博打」: 雪斎の随想録
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24 3月 11
23日朝刊23面【経済教室】山内昌之 東京大学教授
(前略)阪神大震災が起きた時、政権は村山富市社会党党首を首相とする自社さ連立内閣にあった。村山首相
の初動は遅くリーダーシップは弱かったにせよ、じきに自民党有力閣僚の補佐を受けながら態勢を立て直した。ブレーンを集めて「大風呂敷」の構想を実現する
力が後藤(新平)の持ち味だったとすれば、村山氏は官僚などの専門家を信頼して仕事を任せるおおらかさで危機をひとまず乗り切り、その後に潔く辞職したの
だった。これらの大震災への対応ぶりと、今回の菅直人首相の措置を比べると、大きな違いがすぐ浮かび上がる。それは、政治主導と脱官僚の信念に呪縛された
菅首相のもとで、手足として働くべき官僚機構のヨコの連携がとれず、首相に連なるタテの指揮命令系統が機能不全に陥ったことだ。
歴史の教訓に基づいた山内教授の指摘があまりに的確なので、以下引用で本日の日記としましょう。
「最高指導者は指揮所からみだりに動くべきでなく、たとえ善意の督励であっても現場に出かけるには時機を見計らい慎重でなければならない」
「人びとは、メディアを通して首相の言葉や振る舞いをいつも注視しており、喜怒哀楽の過剰な露出は国民をいたずらに不安にするものなのだ」
「菅首相に問われるのは、政策的総合力と全体的判断力であり、いかに重要であっても個別の事象にのめりこんで他の重要な課題を忘れてはならない」
「この期に及んで市民運動家めいた細々としたパフォーマンスは必要ないのだ」
「菅首相は節電やボランティアの担当に有名人を任命しているが、むしろ早くつくるべきだったのは、官房副長官に任命された仙谷由人氏が組織した被災地の復興対策と再建計画を検討し官僚を実際に動かすタスクフォースだったはずである」
「谷垣禎一自民党総裁に副総理・震災復興担当相就任を懇請するなら、子ども手当や農家戸別所得補償などを補正予算の財源に振り替えるのが礼儀というもの
だ。マニフェストを見直す誠実さを見せずに挙国一致を要求しても、難事の政治責任を野党におしつけるのかと推量されるばかりだろう」
「必要なのは決断と責任である」
「真の政治主導とは、責任は大臣に、賞賛は現場に、であろう」
「国家の危機を救うために命がけの自衛隊・消防・警察の隊員に加え、危険な現場で不眠不休の作業にあたる東電と関連企業や日立製作所・東芝などの勇敢な職員の成功を祈りながら、菅首相は最終的に政治責任をとる覚悟さえもてばよいのだ」
— さるさる日記 - 泥酔論説委員の日経の読み方
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